| 秀作作品(20首) |
楽しみはテレビに意見す父を見て共にうなづく母を見る時
柏木 美輪 |
たのしみはとっても怖いとび箱が勇気を出して跳べたその時
堀 雄輔 |
たのしみは朝のしずけさ出かけまえ家に炊きの米かほるとき
小林 稔彦 |
たのしみは台風一過のそのあしたずれし表札元に修すとき
木本 康雄 |
たのしみは六地蔵さん又今年赤いボーシを編あげたとき
嶋田 英子 |
楽しみは監督だった父親が試合がおわりだきしめるとき
森口 実悠花 |
楽しみは口数少ない長男とドラマを深夜並んで見るとき
井垣 明代 |
たのしみは生まれたばかりのいとこだきなぜかぼくだけなつかれたとき
福園 英雄 |
楽しみは家族で贈ったネクタイで父が外出するの見る時
岩目後 貴宏 |
たのしみは広島まなぶ子供らのまっすぐな眼を見てガイドするとき
田村 陽子 |
たのしみは昼間の君の出来事を湯気越しに聞く午後五時のとき
村田 千賀子 |
楽しみは歯のない祖父の笑い顔受話器越しでも見てとれる時
鷲田 早紀 |
たのしみは寒い朝に早く起きピアノのけんばんに指を置くとき
鍜治谷 千晶 |
たのしみは百円ショップで気に入りの傘を見つけて雨を待つとき
落谷 美予子 |
たのしみは帰るコールが鳴ってすぐ一番だしに味噌を溶くとき
藤野 美幸 |
たのしみは朝一番に孫の来て「オネガイシマス」の声弾むとき
田崎 節子 |
たのしみは庄内離れて五十余年訛ことばで便り書くとき
永田 弘子 |
たのしみはをさな児摘めるれんげ草髪かざりして天使となるとき
杉崎 康代 |
楽しみは始発電車の静けさの底で目を閉じ揺れている時
岩本 あい |
楽しみはプレゼントしたマフラーを二人の首に巻きつける時
山本 裕貴 |