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福井市

 

平成独楽吟

第20回(平成26年度)受賞作品

平成独楽吟部門
           
入賞作品
橘曙覧賞
たのしみは庭に遊べる小鳥らに林檎の皮を厚く?くとき

中嶋 恭子
福井県知事賞
たのしみは小さな田へと水を張り澄む青空を呼び寄せるとき
松下 弘美
福井市長賞
たのしみは足の裏にてさぐりたる初筍(はつたけのこ)を堀り当てしとき
河野 成実
福井県教育委員会賞
たのしみは背いて口も聞かぬ子のカラの弁当箱を見るとき
中川 潔
福井市教育委員会賞
たのしみはごはんもりもりたべたいなふやしてくださいきゅうしょくのとき
中村 心々遥
福井新聞社賞
たのしみはスケジュール帳の休日にあなたの名前を書き入れるとき
小幡 奈月
日本放送協会福井放送局長賞
たのしみは春雨にさすビニール傘洗われる街透かし見るとき
浜本 すみれ
福井中央郵便局長賞
たのしみはおれの右足ビュンビュンと速いドリブル相手ぬく時
黒川 蓮
熊本市賞
たのしみは姑(しゅうと)と揃ひの浴衣着て盆の踊りに下駄鳴らすとき
河野 雅子
歴史のみえるまちづくり協会理事長賞
たのしみは直しのみでも老いの身に仕事まだありミシン踏むとき  北村 寿子
学校賞
福岡県 明治学園小学校
学校賞
福井県 福井市明新小学校

秀作作品
たのしみはみかん山から我が町と海をまるごと腕に抱くとき
山下 奈美
たのしみは朝の通勤ゆくりなく子の運転のバスに乗るとき
畠山 みな子
たのしみは宿題する子の横顔に少し大人を感じとるとき
村田 千賀子
たのしみは夕日が落ちる直前の光を浴びて赤くなるとき
清水 義斗
たのしみは楮(こおぞ)の繊維つらなりて塵のない紙選り急ぐとき
山口 絹子
たのしみは月に一度の散髪で「いつものやつ」が通じ合うとき
宗京 智也
たのしみは式の日どりのやりとりにはずむ娘の声を聞くとき
小M 隆子
たのしみは古い火鉢の中に棲むメダカの瞳と見つめ合うとき
永禮 直義
たのしみは妻の手作り弁当のふたおごそかにひきあげるとき
道願 正美
たのしみは銭湯帰り手をつなぎ夕焼け小焼け子と歌うとき
高徳 浩子
たのしみは生まれくる子の顔うかべひとめひとはり毛糸あむとき
塚田 芙美子
たのしみは自室の窓を開け放ち雨の香りを感じているとき
矢代 実可子
たのしみは竹を削りて木を?(う)めて人形(ひとがた)となし眼を入れるとき
利根 敬郎
たのしみはたいいくのじかんはばとびでおさるのようにとんでいるとき
水野 晴香
たのしみは犬をぎゅーとだきしめて母がさらにだきしめるとき
上田 やくも
たのしみは雁(かり)鳴く声に誘われてどこから呼ぶかと空仰ぐとき
八杉 美紗子
楽しみは雲が見守る校庭を友と一緒にかけ回る時
赤松 菜々子
たのしみは新雪の朝ひとすじの道ゆずるときゆずられるとき
藤井 康文
たのしみはひとり息子が帰省して妻の遺影と話しているとき
佐藤 文浩
たのしみは僕が始めた鼻歌が家族みんなに移ってたとき
上中 直樹

一般短歌部門
入賞作品(9首)
橘曙覧賞
ふるさとの駅をすぎれば車窓より子らの声なき学校の見ゆ
河野 成実
福井県知事賞
いつぽんの栗の木ありき母と子にちひさな実りの季節がありき
村上 京子
福井市長賞
男装の祖母に負はれて引き揚げしふるさとの母古稀を迎へり
河野 雅子
福井県教育委員会賞
長距離のトラックの荷にぽっとんとドングリひとつふるさとを出る
西部 稔
福井市教育委員会賞
三日月はきょうりゅうのキバぴかぴかと星をかじりに空をかけるよ
船田 愛子
福井新聞社賞
ばあちゃんは最後の外泊じいちゃんの好きな梅酒をこっそり仕込む
川畠 紀子
日本放送協会福井放送局長賞
風呂敷は正義のマントふるさとの丘になびきし唐草模様
畑中 秀一
福井中央郵便局長賞
十円を四、五枚積んだ赤色の電話の先に故郷(こきょう)があった
鈴木 聡志
歴史のみえるまちづくり協会理事長賞
梅花藻の冷たい水に閉じこめる真夏の光としづかなゆふぐれ
古市 尚子

秀作作品(20首)
古希の祖父山は宝庫が口ぐせであけびにきのこ籠にいっぱい   加藤 夢衣
ふるさとに父母を残して帰る道すすきの穂波野に夕映えて
志賀 直子
帰省する田舎を持たず母の待つ帰るいつもの家がふるさと
石川 麻紀
ふるさとの外を見たいと背伸びする娘の髪をただ撫でにけり
志村 紀昭
北限のアヲスヂアゲハ棲む森も照らし昇れる今日の月蝕
畠山 みな子
珍客に鶏消えた雪の日の里の宴の切なく恋し
松川 涙紅
紙漉きを続けてと言ふ画家の紙小春日受けて簀竹(すだけ)に光る
山口 絹子
われの名をふるさとのように美しく里美と付けて父は逝きたり
丸岡 里美
ふるさとを未だ離れた暮らしなし生きて来(こ)し方見れば田畑あり
石峯 貞男
帰雁忌の佐分利の谷は暮れ易し一滴文庫に灯り点りぬ
磯野 博美
一本橋渡りて山椒魚採りに行きたる山が目の裏にあり
西森 茂夫
いつもより言葉少なき母の眼の先きに被災のふるさとがある
横井 和幸
鼓打つ兄に遅れじと妹は駄菓子片手にだんじりを追う
坂東 典子
故郷は無事に稲刈り終えたのか都会に浮かぶ鎌の月見ゆ
岩中 幹夫
お駄賃のみかん撫で撫で帰る道あかねの空へ三日月透けて
野田 美和子
母一人住む古里や久々に戻れば庭に柿熟れしまま
今井 克己
夕暮れに袋被った桃の実の産毛を触る夢を見てみる
石田 裕美
田一面の真白き花の終わる頃「新そばあります」の貼り紙あまた
新道 麗子
ばあちゃんがまだゐる如く澄み渡るダム湖の底の円筒ポスト
松下 弘美
みはるかす立山白くふくらみて愛しきひとよかわすさかずき
中村 有史

   
財団法人 歴史のみえるまちづくり協会