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福井市

 

平成独楽吟

第22回(平成28年度)受賞作品

平成独楽吟部門
           
入賞作品
橘曙覧賞(最優秀賞)
たのしみは三代目の養子(こ)の雪つりに夫(つま)と似てきた姿見しとき

田中 美代子
福井県知事賞
たのしみは父母亡き生家に灯りつき溢れる靴を並べ置くとき
林 泰江
福井市長賞
たのしみは祖父から届いたダンボール開けて並んだトマト見る時
井上 雄惺
福井県教育委員会賞
たのしみはけずったえん筆横一列みんなつんつん背比べのとき
吉田 廉太郎
福井市教育委員会賞
たのしみは竹刀とわたし心あいスパァンときまり勝利するとき
上野 桃子
福井新聞社賞
たのしみは母と料理を作り終え父の感想をじっと待つとき
今村 真有子
日本放送協会福井放送局長賞
たのしみは休み明けの最寄り駅階段下りる君を見たとき
伊藤 美佳
福井中央郵便局長賞
楽しみは菜の花の咲く青空へ羽化するような定年のとき
尾崎 登
熊本市賞
たのしみは隣に住んでいるような顔で我が子がやって来るとき
松下 幸子
歴史のみえるまちづくり協会理事長賞
たのしみは針千本の指切りを本気にする子の顔を見るとき
海老原 順子
学校賞
北海道 札幌市立桑園小学校
学校賞
福井県 福井市明倫中学校

秀作作品
たのしみは部活帰りの児を待ちて海苔のおにぎり作るその時
林 フミエ
たのしみは野良仕事終え腹ふくる老いふたりして昼寝するとき
小林 田鶴子
たのしみは祖父母のくれた金色(こんじき)の光るお米をかみしめる時
近藤 菜々子
たのしみは「今日はどっちと風呂入る?」娘笑顔で「とうちゃん!」のとき
林 春輔
たのしみは私が知らぬ相棒の昔を義母(はは)が語りだすとき
荒井 紀恵
たのしみは友達とした計算がやっと答えにたどりついた時
柳下 美蓮
楽しみは円陣「オー」と一声でみんなの心が点火するとき
田原 友結
たのしみは夏の早川鱒とりて少年の父と笑い合うとき
亀田 親子
楽しみは学校終わりの金曜日かみの毛すっとほどきとるとき
加藤 彩名
たのしみは友鮎もとめ夜明け前おとりを川へ流しこむとき
吉田 明生
たのしみは隣のネコが声もなくわが家のように来てくれるとき
仲西 節男
たのしみは月に一度の図書館の車文庫がきてくれる時
石山 マサ
たのしみは祖父母の家の縁側で布団を敷いて昼寝するとき
桑元 達弘
たのしみは遠く離れし友の居て新米贈り返事待つとき
鈴木 実
たのしみは里の祭に子らの声家々回る御輿待つとき
中川 誠一
たのしみは花ある道を尋ねては妻のカートと遠出するとき
夏田 信身
たのしみは鬼灯(ほおづき)一本幼(おさな)持ち我と並びて墓に行くとき
加藤 文代
たのしみは命のネジをブンブンと巻く蜂のいる花にあうとき
横溝 惺哉
たのしみは妹のおなかまくらにしななめになってそっとねる時
中村 咲耶
たのしみは正月恒例祖父のそばぶつぶつ麺にくすっとする時
鈴木 美波

一般短歌部門(テーマ:友)
入賞作品
橘曙覧賞(最優秀賞)
十年前抱いた夢を持ち続け明日もお前と白球を追う
岩ア 大朔
福井県知事賞
三日月にランドセルをぶら下げて星のシュリケン競って飛ばそう
船田 愛子
福井市長賞
誤字脱字懐かしきかな友の文伜が農を継いだと知らす
北村 純一
福井県教育委員会賞
悲しみを分け合いし友また一人仮設に別れ告げ去る背中
伊藤 ヨシ子
福井市教育委員会賞
留学の友の笑顔の写真にはオーストラリアの風が吹いてる
本谷 優果
福井新聞社賞
友ひとりまた一人去るこの春をうこん桜が寺にゆれゐる
横井 和幸
日本放送協会福井放送局長賞
ぼくの友身長みんなバラバラだぼくはにんじんあの子はごぼう
遠藤 綜太
福井中央郵便局長賞
いつだって聞いてあげるよなぜならば私は小さな相談室だ
奥田 愛琉
歴史のみえるまちづくり協会理事長賞
澄んだ風真っ赤な空で赤とんぼみんな手を振り地をふみしめる
梶 陽翔

秀作作品(テーマ:友)
背戸に来て鳴くこおろぎのふたつみつ秋の夜長の我が友なりき
小田 孝雄
車椅子の難聴の父海見ゆるホームに明るき談話室あり
畠山 みな子
シベリアの寒い荒野をさまよいて父は友垣背(せな)で運んだ
米山 直昭
光なき世界に生きてこし友がふとつぶやきぬ「色が見たい」と
井田 あさみ
戦友の訃報届きし受話器置き父はその手で蛇口を捻る
田久保 ゆかり
戦友会二人になるまで続けむと抑留の日を語り合い酌む
岡本 邦夫
辻々に友の名書かれし立て看板通夜へと向ふふるさとの道
河野 成実
「顔を見らんと安心できん」瓦礫の中を駆けつけくれて友は
橋本 年美
初恋の名前手旗で示すあり傘寿で同期会最後となせり
阿部 昌彦
若き日はいつもまわりに誰かいたいつのまにやらぽつんとひとり
佐々木 美知子
歳月の苦楽語らずふるさとに傘寿の会は和やかなりき
山本 幸子
夏蜜柑分けて渋みに顔歪め馬鹿笑いした青空の君
今野 涼人
三階の教室が揺れ友達と南海トラフの話をしてる
阿地 莞汰
「おお」だけで通じるなんて素晴しい洟垂れ小僧の禿頭(とくとう)が来る
西 おさむ
友の声ふり返ったら笑ってる私の笑顔をまっているように
熊谷 侑香
みな同じ瞳(め)をして我に恋人のこと語る昼下がりの学食
森永 理恵
シャボン玉生まれるときは楕円形友のかなしみもらさぬように
中江 三青
大掃除襖の染みは青春が叩きつけたる珈琲カップ
松下 幸子
元特攻の義父(ちち)の遺影に供えたり戦友(とも)よりとどきし福島の柿
河野 雅子
わが町の避難勧告見たという友のメールが届く雨の夜
信安 淳子

   
公益財団法人 歴史のみえるまちづくり協会