福井市グリフィス記念館

愛宕坂茶道美術館

橘曙覧記念文学館

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福井市

 

平成独楽吟

第23回(平成29年度)受賞作品

独楽吟部門
           
入賞作品
橘曙覧賞(最優秀賞)
たのしみは異国に働く夫(つま)の膝帰ればおさなの椅子になるとき

丸岡 里美
福井県知事賞
たのしみは名は知らねども折々に逢う少年の笑みてくれるとき
今岡 久代
福井市長賞
たのしみは孫と川の字しりとりの声が小さく消えていくとき
松井 詔子
福井県教育委員会賞
たのしみは学期はじめの一日目少し変わったみんなを見るとき
金正 ののか
福井市教育委員会賞
たのしみは子と指す将棋手加減の余裕が日ごと減っていくとき
石川 誠
福井新聞社賞
たのしみはふたりの曾孫が走りきて右と左にぶらさがるとき
土居 昭子
日本放送協会福井放送局長賞
たのしみはあやしたあとのいもうとのすごくかわいい笑顔みるとき
森本 海斗
福井中央郵便局長賞
たのしみは青空見あげおべんとう友と一緒にふたあけるとき
生駒 昌汰
熊本市賞
たのしみは積った雪に大の字を自分の大きさ確かめるとき
大佐々 康毅
歴史のみえるまちづくり協会理事長賞
たのしみは手のひらほどの靴履かせ歩幅合わせて散歩するとき
松村 美知子
学校賞
石川県 金沢市立菊川町小学校
学校賞
福井県 越前町立城崎小学校

秀作作品
たのしみは稲の匂いの流れくる町中の田の傍(そば)通るとき
井田 壽一
たのしみは自転車乗って息吸ってトンビになって坂下るとき
鈴木 愛菜
たのしみはひらがなだけの文通で孫と二人の秘密持つとき
熊本 芳郎
楽しみは子の運転の路線バス他人の顔して乗ってみるとき
畠山 昭二
たのしみはにっこり笑い声をかけまぶしい朝にほめられるとき
太田 夢華
たのしみは父といっしょに休日にさしみやてんぷら配達する時
玉木 福真
たのしみはまいとし夏のなしがりのわたしの仕事の店番するとき
西本 叶望
たのしみは父が銀行行った時父のきげんが少しいい時
川端 希利
たのしみは世界で一番あたたかい家族みんなで過ごしているとき
藤井 奏美
たのしみは午後の歴史の授業中君の寝顔を盗み見るとき
前川 玲奈
たのしみは傘寿の父が勇ましく凧を操る姿見しとき
佐藤 美弥子
たのしみは50m走りきり何秒ですかと息はずむ時
山上 楓太
たのしみはこんじょうこもった白球をぼくがカキーンと打ち返す時
小林 真大
たのしみはドンドンカッカたいこをたたきチームみんなでわざきめる時
宮崎 春陽
たのしみはどんぐりひろう木の下でどんどんふくろが大きくなるとき
刀根 隼
たのしみはいとこ全員集まって横に並んで背くらべするとき
杉山 凜
たのしみは父のメールの着くたびに届いてるかと電話来るとき
堀 卓
たのしみは顔を見るたび「あんた誰?」百寿の祖母の笑顔みるとき
嶋 京子
たのしみは妻のバス旅思い出をわが病床で嬉々と聞くとき
千島 宏明
楽しみはビルのない駅降り立ってサングラスかけ父を待つとき
藤野 美幸

テーマ短歌部門(テーマ:旅)
入賞作品
橘曙覧賞(最優秀賞)
この道がバージンロード父は娘(こ)の精霊船に寄り添って行く
牧野 弘志
福井県知事賞
君かへし一人のこれる旅の宿朝の卵の黄の色淡し
池ア 充コ
福井市長賞
『放浪記』読みさし仰ぐ車窓には夕べの空の青ひとにぎり
合志 義文
福井県教育委員会賞
最後かもしれない子等と向き合って一緒に食べる里の駅弁
中川 潔
福井市教育委員会賞
巡礼の四国路旅する老夫婦すすき野原を笠二つゆく
河野 雅子
福井新聞社賞
人情が見知らぬ土地に生きており国境(くにざかい)の海ただただ碧く
浦田 穗積
日本放送協会福井放送局長賞
倒木のブナの林は深海を旅するに似てくぢらが眠る
畠山 昭二
福井中央郵便局長賞
眠られぬ夜はジュピター聞きながら銀河を旅する「はやぶさ」になる
横井 正男
歴史のみえるまちづくり協会理事長賞
若き日に揺れゐる心を抱きつつひとり訪ねし秋の室生寺
落谷 美予子

秀作作品(テーマ:旅)
二十四で帰らぬ旅に出ようとはなぜなぜなぜなぜ問えど答えず
森江 武典
旅終えしわれを待ちしか我が庭は金木犀の香り満ちたり
玉井 節子
定年の記念の旅来て妻に指す若き日居たる特攻基地跡
岡本 邦夫
野の径はトノサマバッタ・ヒキガエル児は恐龍の国を旅する
畠山 みな子
りょこうでねみんなのえがおみていたら自分もえがおきてよかったな
見生 凉子
据ゑ膳のもてなし受けて湯の宿に手持ち無沙汰の妻を可笑しむ
長畑 孝典
一片の骨で良いから戻れよと老いし義母(はは)言う旅を終わらせ
伊藤 ヨシ子
サンダルに沖縄ビーチの砂付けて修学旅行の孫帰宅する
坂東 典子
温泉にまた行きたいなばあちゃんの背中一番に流してあげる
阿地 しずく
発つ日よりやや大人びた少年の顔くしゃくしゃに掻き抱く駅
福永 敬子
家族旅行楽しい反面さみしいと思うは一人の祖父を思うとき
大林 明日香
北の地に夏めく香の花畑大阪弁の君夢語る
松岡 彩夏
背伸びして待つ母いなき故郷(ふるさと)の改札抜けて旅人となる
田久保 ゆかり
潮騒を聞きにきたのと一人旅の少女はすこし裾をぬらして
水野 真由美
路地ゆけば軒の紙垂(かみしで)ま白きにけふは鎮守の祭りなるらし
河田 琴栄
亡き父のカメラに残るフイルムに父の旅した夕焼けの空
水谷 あづさ
夢を追いかけた君を追いかけた乾いた大地ここはアフリカ
鷲見 秀樹
公園に展示されてる機関車で恍惚の母旅をしている
松川 涙紅
我が街の見知らぬ小道踏み入れば一瞬にして旅人となる
加藤 房枝
旅先で見上げた空はいつもよりひろくて青いそんな気がする
武田 六郎

   
公益財団法人 歴史のみえるまちづくり協会