幕末の歌人・国学者 橘曙覧
与謝野晶子愛読『源氏物語』(鞍馬寺蔵)
平安時代に書かれた『源氏物語』は、中世の頃までは一部の人だけが読むことができる特別な読み物でした。江戸時代には出版技術が進んだことで、『源氏物語』の刊行がはじまり、絵入り版や解説書、ダイジェスト版ともいうべき版本など多様な書物が出版され、大衆に広く読まれるようになりました。福井藩主であった松平春嶽公も大変興味を持ち、橘曙覧に城中での講義を依頼したという話も残されています(残念ながら実現はしませんでした)。
千年以上も前に書かれた『源氏物語』を原文で読むことは、大変難しいものです。物語の魅力をわかりやすく伝えたいとの思いから、与謝野晶子をはじめとして谷崎潤一郎や円地文子など何人もの作家が現代語訳に取り組みました。五十四帖にも及ぶ長い物語の訳を完成させるまでには、震災による原稿の焼失や、作家本人が病気を患うなど困難をともないましたが、出版された作品はどれもベストセラーとなり、『源氏物語』の素晴らしさを私たちに伝えてくれています。
本展では、自筆原稿などとともに、『源氏物語』の現代語訳に取り組んだ作家たちをご紹介します。今なお多くの読者を持ち続けている物語の魅力を、彼らの“源氏物語”を通して知っていただけたら幸いです。
協力
越前市立図書館、大阪樟蔭女子大学田辺聖子文学館、京都府立京都学・歴彩館、鞍馬寺、毫攝寺、堺市博物館、福井県文書館、福井市図書館
会期
2024年9月27日(金)~11月17日(日)
定休日
月曜日(祝日の場合は翌平日)
開館時間
9:00~17:15(入館は16:45まで)
観覧料
300円(中学生以下、70歳以上、障がい者とその付添人は無料です)
◆展示解説
9月29日(日)終了しました
10月26日(土)
各回14:00~(30分程度)※要観覧券
担当学芸員が展示内容の解説を行います。
〈関連企画〉
愛宕坂でお茶しましょ♪(愛宕坂茶道美術館連携企画)
◆「源氏物語スイーツを楽しむ会」
10月27日(日)
11月16日(土)
いずれも13:00~16:00
くわしくはこちらをご覧ください。
体験講座
◆練香づくり
10月12日(土)14:00~15:30
※定員に達したため、受付終了しました
◆ガラスペンで美文字レッスン~源氏物語編
11月4日(月・振休)10:00~11:30
※定員に達したため、受付終了しました
朗読会
◆「朗読 源氏物語~個性光る四人の女性~」
11月9日(土)14:00~15:00
くわしくはこちらをご覧ください